特定調停は、各債権者と、負債金額及び以後の返済方法を裁判所の一室で話合う手続きです。但し、債権者と話し合うといっても、実際に債権者が裁判所に来ることはそれほどなく、実際の話し合いは、調停委員との間で行います。
特定調停は、任意整理手続に非常に近い手続と言え、任意整理手続きとの違いを捕らえることにより、特定調停の理解が深まります。
特定調停 |
任意整理 |
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減額効果 | 利息制限法による引直金額 + 調停成立時までの利息・損害金 |
利息制限法による引直金額 |
※両手続も、債権者の合意が必要である点では共通です。 しかし、特定調停では、裁判官の職権による17条決定というのがあり、債務者から提案に合理性があるにもかかわらず、債権者が理由なしにこれを受入れない場合などは、決定というかたちで、話合いが成立したのと同様な効果を得られることがあります。 |
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手続様態 | 裁判上での調停(和解)手続 | 裁判外での和解 |
債務名義化 | 有 | 無 |
※債務名義とは・・・ 債務者が和解どおりの支払いをしなかった場合の事になりますが、その場合、最終的には、債権者は、債務者の財産に対して強制執行(差押え)をすることになります。ただし、執行手続きは、誰でも・いつでもできるというわけではなく、法律上、執行手続をするにも切符が必要です。債務名義とは、この切符の事だと考えてください。つまり、特定調停は、調停調書若しくは決定書という形で話合いの内容を書面化します。これは、一度裁判所を通過したものですから、支払いを怠った場合には、強制執行する切符を債権者に与えようということです。一方、任意整理は、裁判所を通さないので、この切符が債権者の手に渡る事はありません。 |
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デメリット | 信用情報に掲載されるため、以後借入れができなくなる。 |
特定調停の申立てを行う裁判所は、どこでも良いというわけではなく、管轄のある裁判所に申立てなければなりません。
特定調停における裁判所の管轄は、債権者の住所地・本店所在地・営業所所在地等の簡易裁判所になりますが、債権者が複数の場合、そのうちの1つの裁判所にまとめて提出できます。
上記書類を申立書に添付して提出します。
※司法書士・弁護士の報酬は、各事務所により異なります。
1社当たり、約2,000円
※詳しくは裁判所にお問い合わせください。
当事務所は、認定司法書士事務所であるため、原則として任意整理手続を行い、場合によって特定調停を利用する方法を採っています。
1社当たり、31,500円〜
※事案により異なります。
認定司法書士及び弁護士においては、任意整理で解決を図ることが可能なため、特定調停はそれほど頻繁に利用する手続ではありません。従い、ここでは、本人申立てによる手続を想定してご説明します。
申立書は、各裁判所に用意されています。
第1回審問期日では、収入状況・負債状況等の生活状況を調停委員から質問されます。
第2回審問期日では、債権者との交渉が開始します。但し、実際に相手方が出頭してくることは稀で、実際は調停委員が相手方と電話により話し合いをします。