おまとめローンとは、現在の負債金額に見合う金額について、大手金融機関若しくは中小金融機関から融資を受け、その融資金で現在負っている負債を完済し、当該金融機関への返済に一本化する商品ですが、この商品の利用は慎重に考える必要があります。(テレビコマーシャルなどでも注意事項が最後に表示されています。)
このおまとめローンは「債務を一本化できる」ことから、数多くの利用者がおりますが、それに付け込む詐欺が多発しています。また、おまとめローンの利用により、抜本的に現在の経済状況を解決できるかについても慎重な判断が必要です。
おまとめローンは任意整理とは異なります。詳しくは、任意整理の箇所をご参照いただきたいのですが、任意整理は現在の負債状況を法的に解決する手段であり、それが違法金利業者であれば、その適正を図ることを目的としますが、他方おまとめローンは、現在の負債総額そのものを新たに借り入れる為、違法金利業者であっても、その請求されている金額そのものを返済することになります。
上記の差は、特に取引が長期間ある方にとっては、大きくなりますので、慎重な判断をすべきでしょう。
減額効果 | 担保・保証人の設定 | 事故情報の掲載 | |||
任意整理 |
有 | 不要 | 有 | ||
おまとめローン |
無 | 業者によっては必要 | 無 |
大手銀行の低金利の商品に借替える事ができれば、状況は少なくとも改善されたといえるでしょう。ただ、私の個人的な意見ですが、大手銀行の低金利の商品を利用できるということは、その方にはある程度の余裕のある方なのだと思います。
ですが、既に多重債務を抱えている方にとっては、大手銀行の金融商品を利用するには困難な状況にあり、広告等をみてあまり良く知らない業者の謳い文句に乗せられてしまうのではないでしょうか?
このような経緯で2次被害(詐欺被害)にあってしまわれる方が多いようです。
では、なぜそのような詐欺被害に遭うのか、私個人的な意見ですが、その原因は
●「債務整理手続についての誤認識からの債務整理手続に対する抵抗感。」
●「借金返済のことで頭がいっぱいになり、冷静さを欠く状況にある。」
●「おまとめローン=任意整理との誤解」
等が挙げられます。
既に多額の借金がある方に対して、無担保で高額な金銭を貸付けるということは、それ相応にリスクがあり、そのようなリスクの高いことを中小企業が行うということは考え難いのではないのでしょうか?
典型的な詐欺事例をご紹介しますので、参考にしてください。
Aさんは、インターネットで「借金を一本化します」という広告を見つけ、]業者に電話をかけました。そして、翌日その営業所に行くことを約束し、その営業所を訪れました。 | |
↓ | 業者の電話番号が携帯電話の場合は、特に注意が必要なようです。 |
その業者が信頼できるか判断するひとつのバロメーターとして、貸金業登録を受けているか、更新を何回受けているかを調べることができます。(金融庁の登録業者検索ページへ) | |
その営業所で、自己の氏名・住所などの個人情報・負債状況を用紙に記載 | |
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負債状況を見て、「これではうちでは融資できない。」等言われ、結局]業者から金銭を借り受けられない。が・・・・ | |
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「一本化の方法はあります。」と続く。 | |
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「うちのほうで、信用情報を操作します」 「うちの関連会社の審査なら通ります。」 「あなたの信用情報を回復する必要があります。」 等の説明を受け、]業者からの指定された消費者金融(□金融と△金融)で借入れするよう指示される。 そして、「借入れたお金は、ア)この口座に振り込んでください。イ)メール便で送ってください。ウ)郵送してください。 □金融と△金融に対しては、うちのほうで返しておきます。これで、あなたの信用情報は回復し、優良顧客(ブラック消し扱い)となるので、うちの審査も通ります。すぐにあなたの口座に金○○円を入金します。」 |
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しかし、入金はない。それどころか、□金融・△金融から督促の電話が入る。 | |
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]業者に電話するが、不通状態(騙されたことに気づく。) |
おまとめローンによる負担の軽減は否定できませんが、上記のような被害に遭わないためにも細心の注意が必要なようです。